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この世界が終わる その時も争いが続くなら 僕たちだけでも愛し合っていたいんだよ
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11.25.23:52

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  • 11/25/23:52

04.18.19:01

汚い醜い

時々
闇が大きくなることがある

棚の奥にしまって忘れようとしているのに
なぜか棚から出てくることがある

何でこんなに歪んでいるのか
何でこんなに汚らわしいのか

一気に闇に支配され
少量の涙だけが流れゆく

強がっているのが自分なのか

醜い感情たちが渦巻く

訳が分からなくなってくる


波が通過すればまた
闇を奥にしまう

涙しただけで
消えてしまえば良いのに

光がほしい

馬鹿らしい

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04.12.23:43

桜色に染める

 一斉に花弁を散らせる桜たち
 水面(みなも)を桜色に染める

 一本の桜の木の下
 一匹の白猫が眠る
 硬く眠っている

 桜の木の下には死体が埋まっている
 だから桜は奇麗に咲くのだと言った人がいる
 硬い白猫を見て
 まさにそうなのかもしれないと思う

 死にゆく者が綺麗に散ろうとするように
 桜の散り際は潔く美しい

 道にも流れ着いた花弁たちは
 風が吹くたびに舞い上がる

 天からも地からも
 その美しい花弁を
 心地良い風とともに受け止める

 あまりに儚く
 あまりに切なく
 あまりに美しい
 
 美しいものはいつかは散りゆく
 その哀しさに耐え切れず
 人は目を逸らそうとする
 見まいとする

 しかし目を逸らさなかった者だけが
 その儚きものの真の美しさを見られる

 その一人である少女
 天を見上げ地を見下ろし
 儚く美しく
 桜の花弁と舞わせる
 ひとしずくの涙を

 桜色に染まる
 綺麗な頬を伝わせて
 その雫をも桜色に染め上げた
 

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あとがき

04.11.21:55

目覚めと眠りの狭間で

今日も目が覚めたのかと
天井に片手を重ねて見てみる
ベッドの上

覚悟したはずなのに
目覚めは安心感を誘う
そしてまた
眠りは恐怖感を与える

今眠れば
もう二度と目を覚ませないのかもしれないと
目覚めれば
良かったと思う反面残酷だと

いっそ潔く眠りについて
潔く逝ってしまいたいとも思った


そんな私を
君は許してくれなかった

目を開けるときも
目を閉じるときも
君は隣にいてくれて
君は手を握ってくれている

目覚めるときも
眠るときも
君が与えてくれるのは安心感とぬくもり


でも
怖くないなんて言えない
単純な怖さではない
一人で逝く怖さではない

君を遺して逝く怖さ
あたたかい君の手を握れない怖さ

もしかしたら
今までより怖くなったのかもしれない
死というものが

それでも
今までより幸せなのは事実だから

君もまた
幸せを見つけてほしい

それだけを知ってもらえれば良い

そしてまた
私は眠りにつく

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04.09.22:31

下り坂で風になれ

あなたが私を乗せたのは
錆びれた自転車の後ろ

どこへ向かうのか教えてくれない
そんなあなたの顔はまるでいたずら坊主

春の優しい太陽の下
あなたは長い坂を必死に上る
降りようかと言えば
大丈夫だと叫ぶ

汗の滴る首がどこか男らしい
何が起こるかわからないけれど
こんなあなたを見ているのもいい

するとあなたが言う
目を瞑れと
突拍子もないがしょうがない
言う通りにする

自転車が止まり
体の傾きでてっぺんに着いたことがわかる
あなたはまだだと言うだけ

そして下り坂へ
体で風を感じる
あなたにとってはとても気持ちが良いのだろう

目を開けろと叫ぶ声
開ければあなたの背中
風が髪をなびかせ
シルバーのピアスが顔を覗かせる
なぜかどきっとする私

上だと言われて漸く気付く

私たちを覆うのは桃色の屋根
言葉が出ない
桜に囲まれている
上も左も右も桜

すごいとしか言えない
あなたは笑う
覗き込めばいたずらが成功したような顔
誇らしげな顔

咲き誇る桜
こんな素敵なところなのに人はいない

何でかなあ
何だかなぁ

どうしてあなたはこんなところを知っている
どうしてあなたは…

こんなに惚れさせる


桜とあなたと風になってしまおう
この感情をごまかすために

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あとがき

04.05.11:51

泥棒

 こくり、こくりと
 眠ってしまった君に微笑みを漏らす
 この可愛らしい寝顔も見ていたいけれど
 もっと見たい顔があるんだ

 その顔を見るために
 渋々、左手と声を使って君を起こす
 
 君は寝てしまったことを謝りながら
 現在地を知るために窓の外を見た

 そう、その顔
 その顔が見たくて起こしたんだよ

 目を見開いて、輝かせて
 まるで少女みたいだ

 僕は窓を開ける
 ふわり
 心地良い春の風が中にまで入ってくる
 ひらり
 風に誘われるように花弁も入ってくる
 ふわり
 君の綺麗な長い髪も靡いて
 ひらり
 花弁は君の髪に到着する

 桜の花弁が風に乱され、流されて
 舞っていく空間を車で突っ切る
 綺麗に微笑む君に見とれぬように
 
 何だか危ない気もするが
 君は好きだろう、こんな空間

 君を驚かせたくて
 君を輝かせたくて
 
 愛しい君を綺麗にしたくて

 だからこの道を選んだんだよ

 だからその瞳
 桜ばかりでなくて
 僕にも向けてくれないか

 桜に君を奪われたみたいだ
 

 けれどね
 君も桜も楽しめる僕が
 本当の泥棒なのさ

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